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標題音楽
知られざるエマヌエル・バッハ (C. P. E. バッハ) を紹介するサイトです.
標題音楽
標題音楽(ひょうだいおんがく)は,具体的な標題(タイトル)やプログラムを持ち,作品のテーマや内容を明示する音楽の形式を指します.標題は,物語,自然の情景,感情,歴史的・文学的なテーマなどを聴衆に示し,音楽を通じてそれを表現することを目的とします.これは「絶対音楽」(特定の内容を持たず,純粋な音楽形式を追求する音楽)と対比される概念です.
特徴
- 標題の提示:作品には具体的なタイトルや解説が与えられ,これが聴衆の理解を助けます.
- 音楽の内容:音楽そのものが標題に基づく内容を表現しており,旋律,リズム,和声,楽器編成がその役割を担います.
- 表現の自由:直接的な描写だけでなく,抽象的な感情や印象を音楽で表現することも含まれます.
代表例
- ヴィヴァルディの「四季」: 自然の情景を表現する協奏曲集で,具体的な描写(鳥のさえずり,雷雨など)が含まれています.
- ベルリオーズの「幻想交響曲」: 恋愛と幻想をテーマにした交響曲で,各楽章にストーリーが設定されています.
- スメタナの「モルダウ」: モルダウ川をテーマにした交響詩で,川の流れや情景を音楽で描写しています.
標題音楽の目的
標題音楽は,音楽を通じて特定のイメージや物語,感情を伝えることを目指します.これにより,音楽が聴衆とより具体的に共鳴しやすくなる点が特徴です.
標題音楽はロマン派時代に特に隆盛を迎えましたが,映画音楽や現代のプログラム音楽にその伝統が引き継がれています.