知られざるエマヌエル・バッハ (C. P. E. バッハ) を紹介するサイトです.
音楽においても以前はバロックと古典派とのあいだの時代がロココとよばれていたようなのに,最近はこのことばがすくなくとも音楽においてはきかれなくなったようなので,ChatGPT にきいてみました: 「以前はバロックとハイドン以降の古典派とのあいだの時代に関してよく「ロココ様式」ということばがつかわれていたようにおもいますが,最近はあまりきかないようにおもいます.音楽史がかきかえられたのでしょうか?」
歴史的正確性の追求: 「ロココ様式」という言葉が美術や建築においては適切であっても,音楽においては必ずしも全体を包括する表現ではないとの認識が広まりました.音楽史家や研究者は,各時代の音楽的特質をより具体的に表現するために他の用語を選ぶようになりました.
地域差とスタイルの多様性の理解: 18 世紀の音楽は地域や作曲家によって多様であり,一つの用語で一括りにするのが難しいことが認識されるようになりました.例えば,「北ドイツのバロック後期」「ウィーン前古典派」などのように,地域や特定の流派に焦点を当てた用語が使われることが増えました.
現在の音楽史用語
現在の音楽史では,18世紀中頃の音楽について次のような用語がよく使われます.
前古典派(プレ・クラシカル): 古典派に移行する過程の音楽を指します.
ギャラント様式(Galant Style): 優雅で簡潔な音楽スタイルを指し,バロック後期と古典派初期の中間の様式です.
感情表現様式(Empfindsamer Stil): 特にドイツで発展した,感情表現を重視した音楽スタイルです.
これらの用語は,音楽史の時代区分をより具体的かつ正確に反映しており,研究や教育においても使用されています.
「ロココ様式」という言葉が音楽史であまり使われなくなったのは,こうした研究や分類の進展によるものです.しかし,ロココ様式がもたらした美学や影響は依然として音楽史の中で重要な位置を占めています.
[追記] 最近はそもそも個々の作曲家について論じる際に時代区分でいろわけすることじたいに疑問がもたれているようです. 音楽史の教科書として有名なグラウト/パリスカの「西洋音楽史」の第 10 版 (Grout/Palisca, A History of Western Music, 10th ed., 2019.この版は訳されず,日本語訳で最新のものは 2007 年のようです) では時代区分をやめて,章を世紀でわけています.