知られざるエマヌエル・バッハ (C. P. E. バッハ) を紹介するサイトです.
エマヌエル・バッハのフォルトゼッツング・ソナタ (Fortsetzung Sonaten) は,1761年に出版された鍵盤楽器のためのソナタ集で,彼の多感様式 (Empfindsamer Stil) の特徴が顕著に表れています.このソナタ集は,彼の初期のソナタ集に続くもので,「フォルトゼッツング」という言葉が「続編」や「継続」を意味していることから,前作との関連が示唆されています.
これらのソナタは,形式的には明快な3楽章構成を基本としつつ,情感豊かな旋律と自由な和声進行が特徴です.緩徐楽章では特に内面的な抒情性が強調され,エマヌエル・バッハ特有の音楽的表現が存分に発揮されています.
フォルトゼッツング・ソナタは,クラヴィコードやチェンバロ,さらには初期のフォルテピアノでも演奏可能な設計となっており,当時の鍵盤楽器の進化を反映しています.これらのソナタは,技術的な巧妙さと感情的な深さが融合しており,エマヌエル・バッハが次世代の作曲家に与えた影響を理解する上で重要な作品群とされています.