知られざるエマヌエル・バッハ (C. P. E. バッハ) を紹介するサイトです．

前期古典派

前期古典派（ぜんきこてんは）は，音楽史においてバロック時代から古典派音楽への過渡期に位置する時代で，1720年代から1770年代ごろにかけてを指します．この時代の音楽は，多感様式（Empfindsamer Stil）やロココ様式（Galant Stil）などのスタイルが特徴で，次第に古典派音楽の均整の取れた形式や和声へと進化していきました．

主な特徴

1. 多感様式

   • 繊細で感情豊かな表現を追求したスタイルで，エマヌエル・バッハがその代表的な作曲家です．
   • 突然の転調や不協和音の使用，自由なリズムが見られる．

2. ロココ様式

   • 軽快で装飾的な音楽が特徴で，フランス宮廷を中心に発展しました．
   • 簡潔で対位法が少なく，メロディーが明瞭なものが多い．

3. ソナタ形式の発展

   • この時代にソナタ形式の基礎が形成されました．
   • ヨハン・クリスチャン・バッハやカール・フィリップ・エマヌエル・バッハが特に重要な役割を果たしました．

4. 室内楽と交響曲の発展

   • 弦楽四重奏などの室内楽の形式が確立しつつありました．
   • 前期交響曲も盛んに作られ，ヨハン・シュターミッツなどマンハイム楽派が重要な役割を果たしました．

5. チェンバロからピアノフォルテへの移行

   • 鍵盤楽器の主流がチェンバロからピアノフォルテへと移り変わり，ダイナミクスの表現が拡大しました．

主な作曲家

• カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ（多感様式の中心人物）
• ヨハン・クリスチャン・バッハ（ロンドンで活躍し，古典派への橋渡しを行った）
• ヨハン・シュターミッツ（マンハイム楽派のリーダー）
• フランツ・ヨーゼフ・ハイドン（この時期から活動を開始し，後の古典派の基礎を築いた）
• ドメニコ・スカルラッティ（鍵盤音楽の新しいスタイルを創出）

前期古典派の音楽は，バロック時代の重厚な対位法的音楽から，より軽快で調整されたメロディーと和声へと移行するプロセスを示しており，後のモーツァルトやベートーヴェンが活躍する古典派の礎を築きました．

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