知られざるエマヌエル・バッハ (C. P. E. バッハ) を紹介するサイトです.
エマヌエル・バッハの鍵盤協奏曲 Wq. 37 はハ短調の作品で,彼のハンブルク時代における劇的で感情的な表現が際立つ協奏曲です.この作品は,全3楽章から成り,第1楽章では短調特有の緊張感と力強い主題が提示されます.鍵盤楽器とオーケストラがダイナミックに絡み合い,ソナタ形式を基盤とした劇的な展開が特徴です.第2楽章では,多感様式に基づく内省的で叙情的な旋律が中心となり,深い感情表現が際立っています.終楽章では,短調の力強さを保ちながらも,ロンド形式を基盤としたエネルギッシュな音楽が展開されます.この協奏曲は,エマヌエル・バッハの感情表現力と作曲技法の成熟を示す一曲であり,古典派音楽への移行を感じさせつつも,彼独自の個性が色濃く反映されています.劇的な音楽展開と深い感情表現が,演奏者と聴衆に強い印象を与える作品です.