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18世紀と20世紀の調性の使用場面・目的のちがい
知られざるエマヌエル・バッハ (C. P. E. バッハ) を紹介するサイトです.
18 世紀とくにエマヌエル・バッハと 20 世紀の調性の使用場面・目的のちがい
ChatGPT4o にききました: 「18 世紀において 12 の長調と 12 の短調がどういう場面でつかわれたかを説明してください.」
18 世紀の音楽において,12 の長調と 12 の短調はそれぞれ異なる場面や目的に応じて使い分けられました.この時代は,調性が音楽の感情や雰囲気を表現する重要な手段とされていたため,各調性には固有の性格があると考えられていました.以下に,長調と短調の一般的な使われ方を説明します.[ChatGPT4o の数回のこたえをまとめてあります.]
1.長調の使用場面
長調は明るさや安定感,喜びや祝祭的な雰囲気を表現するために用いられました.
- ハ長調(C-dur): 純粋さ,簡潔さ,荘厳さ.宗教音楽や祝祭的な曲でよく使われた.
例: ヨハン・セバスティアン・バッハ《適正律クラヴィーア曲集》第 1 巻 第 1 番 前奏曲とフーガ BWV 846,モーツァルト《交響曲第 41 番「ジュピター」K. 551》
- ト長調(G-dur): 穏やかさ,優雅さ,牧歌的な雰囲気.室内楽や舞曲に適していた.
例: バッハ《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ》より《パルティータ第 3 番 BWV 1006》,モーツァルト《アイネ・クライネ・ナハトムジーク K. 525》
- ニ長調(D-dur): 輝かしさ,勝利,栄光.トランペットやティンパニが加わる祝典的な楽曲に多用された.
例: バッハ《管弦楽組曲第 3 番 BWV 1068》より《アリア》,ハイドン《交響曲第 104 番「ロンドン」》
- イ長調(A-dur): 温かさ,穏やかな喜び.協奏曲やソナタにおいて抒情的な楽章に使われた.
例: モーツァルト《ピアノ協奏曲第 23 番 K. 488》,ベートーヴェン《ヴァイオリン・ソナタ第 9 番「クロイツェル」》
- ヘ長調(F-dur): のどかさ,穏やかさ,自然の美しさ.牧歌的なシーンや宗教曲の中庸な部分で使われた.
例: ベートーヴェン《交響曲第 6 番「田園」》,バッハ《カンタータ第 208 番「狩のカンタータ」》より《羊は安らかに草を食み》
- 変ロ長調(B♭-dur): 壮大さ,威厳.宗教曲や壮麗なオーケストラ曲に適していた.
例: ハイドン《交響曲第 102 番》,モーツァルト《ピアノ協奏曲第 27 番 K. 595》
- 変ホ長調(E♭-dur): 威厳,英雄的な雰囲気.交響曲や協奏曲などで壮大さを表現するのに使われた.
例: ハイドンの交響曲第 103 番「太鼓連打」,モーツァルトのピアノ協奏曲第 22 番.
- 変イ長調(A♭-dur): 柔らかく落ち着いた優雅さ.室内楽や抒情的な楽章で用いられる.
例: ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第 12 番.
- 変ニ長調(D♭-dur): 温かさ,親密な情感.宗教曲や静謐な楽曲に好まれた.
例: シューベルトの即興曲作品 142-3.
- 嬰ヘ長調(F♯-dur): 明るくきらびやかだが,あまり使用されなかった.技巧的な鍵盤音楽や室内楽に使われた.
例: バッハの《適正律クラヴィーア曲集》第 1 巻より前奏曲とフーガ BWV 858.
- ロ長調(B-dur): 輝かしさ,透明感.祝祭的な場面や抒情的な楽曲で用いられた.
例: バッハのミサ曲ロ短調(ただし全曲は短調中心).
- 嬰ハ長調(C♯-dur): きわめて明るく,透明な響き.調号が多く使いづらいため,鍵盤音楽に限定されることが多かった.
例: バッハの《適正律クラヴィーア曲集》第 1 巻より前奏曲とフーガ BWV 848.
2.短調の使用場面
短調は悲しみ,苦悩,不安,内省的な感情を表現する際に使われました.
- イ短調(a-moll): 素朴な悲しみ,内面的な苦悩.バロック時代の器楽曲や多感様式の作品に多用された.
例: バッハ《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第 2 番 BWV 1004》,モーツァルト《ピアノ・ソナタ第 8 番 K. 310》
- ホ短調(e-moll): 憂鬱,深い悲しみ.感情のこもった独奏曲やアリアに適していた.
例: バッハ《マタイ受難曲 BWV 244》より《憐れみたまえ,わが神よ》,モーツァルト《交響曲第 40 番 K. 550》
- ハ短調(c-moll): 厳粛さ,劇的な緊張感.宗教曲やオラトリオで荘厳な場面に使われた.
例: バッハ《パッサカリアとフーガ BWV 582》,モーツァルト《ピアノ協奏曲第 24 番 K. 491》
- ト短調(g-moll): 激しい感情,悲劇性.オペラや劇音楽で緊迫感を演出するのに用いられた.
例: バッハ《オルガン小曲集》より《おお人よ,汝の大いなる罪を嘆け BWV 622》,モーツァルト《交響曲第 25 番 K. 183》
- ニ短調(d-moll): 重々しさ,厳粛な悲しみ.バロック期の宗教音楽やレクイエムに多く見られる.
例: バッハ《トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565》,モーツァルト《レクイエム K. 626》
- ヘ短調(f-moll): 深い絶望,内省的な苦悩.鍵盤楽器の独奏曲や緩徐楽章で多用された.
例: バッハ《適正律クラヴィーア曲集》第 1 巻 BWV 857,ハイドン《弦楽四重奏曲 Op. 20-5》
- 変ロ短調(B♭-moll): 深い悲しみと内面的な苦悩を表現.特に鍵盤楽器や室内楽で用いられた.
例: ショパンの前奏曲第 16 番(後の時代だが,この調の性格は一貫している).
- 変ホ短調(E♭-moll): 絶望感,孤独,深い陰鬱さ.非常に暗い響きで,18 世紀ではほとんど用いられなかった.
例: バッハの《適正律クラヴィーア曲集》第 2 巻より前奏曲とフーガ BWV 877.
- 変イ短調(A♭-moll): 暗く重々しい響き.調号が多く,使用頻度は低かったが,深い表現に用いられた.
例: バッハの《適正律クラヴィーア曲集》第 2 巻 BWV 891.
- 嬰ヘ短調(F♯-moll): 内省的な悲しみ,繊細な感情.鍵盤楽器や室内楽で感傷的な雰囲気を出すのに用いられた.
例: バッハの《適正律クラヴィーア曲集》第 1 巻 BWV 859.
- 嬰ハ短調(C♯-moll): 暗く激情的な響き.悲劇的な楽曲やドラマチックな展開に適していた.
例: バッハのフーガ BWV 849(《適正律クラヴィーア曲集》第 1 巻).
- ロ短調(B-moll): 柔らかい哀愁,内面の悲しみ.荘厳で深遠な響きがあり,宗教音楽や緩徐楽章に用いられた.
例: バッハの《ミサ曲ロ短調》,モーツァルトの交響曲第 40 番の第 2 楽章.
3.各調性の選択の背景
18 世紀の作曲家たちは,Afektenlehre(情感論)や多感様式の影響を受け,それぞれの調性が持つ固有の性格や響きを考慮して曲を作っており,楽曲の内容や演奏する場面に応じて調性が選ばれていました.調性の選択は作曲家が聴衆に伝えたい感情や物語を効果的に表現するための重要な要素でした.また,楽器の特性や調律法(適正律や中全音律)によっても調性の響きが異なり,作曲の選択に影響を与えました.
ヨハン・ゼバスティアン・バッハの《適正律クラヴィーア曲集》は,12 の長調と 12 の短調を意図的に並べ,あらゆる調性の可能性を探究した作品として,調性の使用法を広げる重要な役割を果たしました.
ChatGPT4o にききました: 「20 世紀においては,これらの調は 18 世紀とはちがうつかわれかたをしたでしょうか?」
20 世紀の音楽では,18 世紀とは大きく異なる形で調(長調・短調)が使用されました.その背景には,調性の崩壊や新しい音楽語法の登場があり,調の意味や役割が大きく変化したのです.以下にその違いを説明します.
1.調性の役割の変化
18 世紀(バロック・古典派)
- 長調と短調は明確な性格付けがされており,感情表現のために厳密に選ばれていた.
- 機能和声(トニック・ドミナント・サブドミナントの関係)に基づく調性音楽が支配的だった.
20 世紀(近現代音楽)
- 調性が曖昧になり,無調音楽や多調音楽が登場した.
- 長調と短調の感情的な固定観念が薄れ,音響や色彩の一要素として扱われることが増えた.
- 調はあくまで響きの効果として用いられ,伝統的な意味は薄れていった.
2.20 世紀の調の具体的な使われ方
① 長調の新しい使われ方
- 長調は,18 世紀のように明るく肯定的な性格を持つとは限らず,皮肉や冷淡さを表現することもあった.
- 調性は象徴的・断片的に使われ,曲全体を支配することは少なくなった.
例:
- ショスタコーヴィチ《交響曲第 5 番 ニ短調》の終楽章はニ長調で終わるが,勝利というより皮肉な印象を与える.
- ストラヴィンスキー《春の祭典》では,伝統的な調性が崩れ,長調と短調が交錯して響きの効果が重視される.
② 短調の新しい使われ方
- 短調も単なる悲しみの表現にとどまらず,不安や混沌,暴力性を表現する手段として使われた.
- 一つの調に固執せず,短調の響きが一時的・瞬間的に現れることが多かった.
例:
- バルトーク《弦楽四重奏曲第 4 番》では,短調の緊張感と不協和音が複雑に絡み合い,激しいエネルギーを生み出している.
- ショスタコーヴィチ《弦楽四重奏曲第 8 番》はニ短調で書かれ,悲しみと絶望だけでなく,暴力的な衝動も含まれる.
3.調性の拡張と新たな技法
① 無調音楽(Atonality)
- 調性の枠組みを完全に外した音楽.
- 長調や短調の響きは偶然的に現れるが,伝統的な意味は持たない.
- シェーンベルクやベルクなどの作曲家が発展させた.
例: シェーンベルク《管弦楽のための 5 つの小品》
② 十二音技法(Dodecaphony)
- 12 音すべてを平等に扱う技法で,調性は意識的に排除される.
- 伝統的な調の概念は消失するが,12 音の中に長調や短調の断片が含まれることもある.
例: シェーンベルク《弦楽四重奏曲第 4 番》
③ 民謡や民族音楽の導入
- 民族音楽の旋法(モード)や変則調性が積極的に導入され,長調・短調の枠を超えた響きが生まれた.
例: バルトーク《ルーマニア民俗舞曲》
④ ジャズやポピュラー音楽の影響
- 長調・短調にブルーノートやモードが加わり,従来とは異なる響きが広がった.
例: ガーシュウィン《ラプソディ・イン・ブルー》
4.まとめ
20 世紀の音楽における調の扱いは,18 世紀の感情表現としての役割から,響きや構造の一部としての役割に変化しました.長調・短調の性格的な枠組みは曖昧になり,新しい表現方法の中で自由に扱われるようになったのです.これにより,調性は多様な解釈や効果を持つものへと進化しました.
ChatGPT4o にききました: 「エマヌエル・バッハの音楽においても長調の曲のなかにしばしば短調の響きがとりいれられているのではないでしょうか?」
おっしゃる通り,エマヌエル・バッハ(Carl Philipp Emanuel Bach)の音楽では,長調の楽曲の中に短調の響きが巧みに取り入れられていることがしばしば見受けられます.これは彼の作風である**多感様式(Empfindsamer Stil)**の特徴と深く関係しています.
エマヌエル・バッハは,感情の繊細な移り変わりや対比を重視する多感様式を代表する作曲家です.この様式の特徴として,突然の転調や予想外の和声進行が頻繁に使われ,音楽の中に明暗の対比や緊張と緩和が生まれます.
- 長調の中に短調の響きを挿入することで,明るさと陰りが交錯する独特の表現が生まれる.
- 曲全体が長調であっても,エピソード的に短調の和声や半音階的な動きを導入することで,音楽に緊張感や深みが加えられる.
2.具体例
① 鍵盤協奏曲 ハ短調 Wq. 31 (H. 441)
- 第 1 楽章の冒頭は劇的なハ短調で始まりますが,展開部では短調の響きが強調されつつも,時折長調の明るさが顔をのぞかせます.
- 特に主題の展開部では,短調と長調の緊張感のある対話が繰り返され,感情の起伏が際立ちます.
② 鍵盤協奏曲 変ロ長調 Wq. 28 (H. 434)
- 明るい変ロ長調の作品ですが,展開部では短調の和声が導入され,曲全体に陰影と深みを与えています.
- 多感様式の特徴である意外性のある和声進行や半音階的な転調が見られます.
③ ソナタ イ短調 Wq. 62/21 (H. 131)
- 全体が短調であるものの,第 3 楽章 Allegretto siciliano e scherzandoでは,長調の響きが一時的に現れ,明暗の対比が巧妙に作られています.
3.長調の中に短調を取り入れる手法
エマヌエル・バッハは以下のような手法で長調の中に短調の響きを取り入れています.
- 突然の転調: 長調から**並行調(平行短調)や関係調(属短調・下属短調)**への転調.
- 半音階的な和声進行: 予想外のディミニッシュコードや**ナポリの和音(♭II)**を使って緊張感を作り出す.
- 短調の主題の挿入: 長調の楽章の途中に,短調の主題やエピソードを挿入し,音楽にドラマ性を加える.
- 強烈なアクセントやリズム: 短調の響きに,シンコペーションや不規則なリズムを組み合わせ,感情の変化を強調する.
このような長調と短調の響きの対比は,エマヌエル・バッハが重視した多感様式の核心です.
- 音楽が単一の感情にとどまることなく,感情の移ろいや内面の葛藤を描くことが目的でした.
- この感情の揺れ動きは,後のハイドンやモーツァルトにも影響を与え,さらにロマン派音楽へと発展していきます.
5.まとめ
エマヌエル・バッハの音楽は,長調の明るさの中にも短調の陰りを織り交ぜ,感情の深みと多様性を生み出しています.その手法は,多感様式の特徴として,大胆な転調や和声の変化を通じて表現され,聴く者に緊張感と意外性をもたらします.
このような長調と短調の融合は,彼の音楽の魅力の一つであり,18 世紀から 19 世紀への音楽の進化に重要な役割を果たしました.
ChatGPT4o にききました: 「長調と短調の交錯のしかたはエマヌエル・バッハの曲と 20 世紀の曲とでちがいがあるでしょうか?」
エマヌエル・バッハの音楽と20 世紀の音楽における長調と短調の交錯の仕方には,明確な違いがあります.両者は調性の扱い方や音楽の目的,感情表現のアプローチにおいて異なる特徴を持っています.以下にその違いを詳しく説明します.
1.調性の扱い方の違い
- 明確な調性の枠組みの中で,長調と短調が対比的に使われる.
- 主調を基盤にして,短調の響きを一時的な感情の変化として導入する.
- 転調や和声の変化は,ドラマ性や感情の揺らぎを生むために意図的に設計されている.
具体例:
- 展開部で短調の和声を導入して緊張感を生み,再現部で長調に戻ることで解決する.
- 装飾音や不協和音を使って,長調の中に一瞬の陰りを作り出す.
20 世紀の音楽
- 調性の枠が曖昧または完全に崩壊(無調,多調)していることが多い.
- 長調と短調の響きが同時に存在したり,意図的に曖昧化される.
- 調性は必ずしも感情表現のためではなく,音響的効果や構造的手段として使われる.
具体例:
- ショスタコーヴィチは長調の終結部に皮肉的な短調の要素を加える.
- ストラヴィンスキーの《春の祭典》では,長調・短調の区別が曖昧なままリズムや音響の密度で緊張感を生み出す.
2.感情表現の違い
- 感情の繊細な移ろいを表現するために,長調と短調の対比を用いる.
- 感情の動きは予測可能な構造(ソナタ形式,ロンド形式など)の中で展開する.
- 短調の挿入は内面的な葛藤や一時的な陰りを示すが,最終的には調和や安定感に戻る.
例:
- 鍵盤協奏曲 変ロ長調 Wq. 28では,明るい長調の中に短調の動機が挿入され,感情の揺れ動きを表現する.
- ソナタ ホ短調 Wq. 62/17では,楽章間で長調と短調が交錯し,抑制と解放を繰り返す.
20 世紀の作曲家
- 長調と短調の交錯は感情表現だけでなく,社会的・政治的メッセージや抽象的な音響効果として用いられる.
- 皮肉,不安,虚無感など,曖昧で複雑な感情を表現するために,調性が操作される.
- 長調・短調の対比は,解決を伴わない緊張や終始する不安定感を作り出す.
例:
- ショスタコーヴィチ《交響曲第 5 番》の終楽章はニ長調で堂々と終わるが,短調の動機が潜在的に響き,勝利の皮肉を暗示する.
- バルトークの《弦楽四重奏曲第 4 番》では,長短の曖昧な交錯によって原始的なエネルギーが表現されている.
3.技法的な違い
- 属調・下属調などの伝統的な転調を使って,計画的な調の変化を行う.
- 半音階的進行や装飾音を通して,長調の中に一時的な短調の響きを織り交ぜる.
例:
- **ナポリの和音(♭II)**を用いた一時的な短調の導入.
- ディミニッシュ和音で短調の響きを強調し,緊張感を生み出す.
20 世紀の作曲家
- ポリトナリティ(多調): 複数の調を同時に重ねることで,長短の響きを同時に存在させる.
- 無調性(アトナリティ): 調性そのものを曖昧にし,長調・短調の区別を意図的に消失させる.
- 不協和音(ディソナンス)を積極的に使い,長短の対比を崩して緊張感や混沌を生み出す.
例:
- ストラヴィンスキー《春の祭典》の和声は,不協和音と多調の組み合わせで,野性的な緊張感を演出する.
- メシアンの作品では,独自のモードを用いて,長短の概念が色彩的・象徴的なものに変わっている.
特徴 |
エマヌエル・バッハ(18 世紀) |
20 世紀の音楽 |
調性の扱い |
明確な主調に基づく,短[主調とことなる]調は一時的な対比 |
調性の曖昧化・崩壊,長短[長調と短調]が同時に存在 |
感情表現 |
感情の微妙な移ろい,調和と解決を重視 |
不安・皮肉・虚無感,解決しない緊張感 |
技法 |
伝統的な転調・和声,半音階的な変化 |
無調・多調・不協和音[の多用]・新しい和声 |
表現の目的 |
内面的・繊細な感情表現 |
音響効果・社会的メッセージ・抽象表現 |
結論
エマヌエル・バッハの音楽では,長調と短調の交錯は感情の繊細な表現やドラマ性を生み出すための構成的な手段でした.一方,20 世紀の音楽では,調性の枠が曖昧化・崩壊し,長調と短調はより自由かつ多様な表現手段として使われました.これにより,音楽はより複雑で多義的な感情を表現できるようになりました.